人工脳で働く知的なピッチングマシンの開発
 人は何か新しいことを行うとき,始めはいろいろと失敗しますが,それらが学習経験となり 次第に成功するようになります.また,このような成功行動は全く同じ事象でなくても, 類似した事象に対しても応用可能になります.いわゆる一を聞いて十を知る汎化の能力です. このような能力はすべて脳細胞が有する得意な情報処理メカニズムによりますが,これが ニューラルネットワークと呼ばれるものの機能です.

ニューロンモデル
表面置換型人工骨頭の解析
知的ピッチングマシン
試作機(クリック後に最新機)
 この機能を制御に応用した新しい機器として左図に示すような知的ピッチングマシンを開発 しました(クリックすると最新機の画像を表示します).この装置は3つのローラを用いて投球するもので,各ローラの回転数はニューラル ネットワークによって独立に制御されています.これにより従来機ではできなかったボールの 到達位置,速度,そして球種の同時指定ができます.
 つまりこのマシンには,希望するボールの条件が 入力されたとき,それに適した3つのローラの回転数を出力する入・出力関係のニューラルネット ワークプログラムが内蔵されています.この関係は力学的な理論により厳密に解いても, 機械ごとの微妙な誤差やマシンが用いられている環境等によりうまくできません.
 ニューラルネットワークでは,このマシンを用いて実際に種々のローラの回転数で投球を 行い,それらの到達位置と速度を測定して,これらを学習データに用いることで,自動的に 望むボールを投げた場合,その入・出力関係を構築します.開発したマシンでは50球程度の 学習データを用いることで,希望したボールの速度は,指定したものの2%以内,その位置誤差 はボール一個分程度に抑えることができます.
 現在では縫い目が精度に影響を与えることが明らかとなり,ボールの投入機構に工夫を加えるなど, 様々な実験・解析を用いて更なる精度向上を目的としています.

縫い目と精度の関係性
縫い目と精度の関係性


球種における実験と解析の比較
球種における実験と解析の比較
飛翔解析
飛翔解析による縫い目と精度の関係性